くまのキラキラものがたり
絵本の世界のようなウエディング
どんなおふたりでも、「結婚する」と決めた日は特別な日です。
そう、プロポーズの日。
このおふたりのはじまりの日もまた、ふたりだけの特別な日でした。
そんなかけがえのない日をずっと、鮮明に記憶に刻んであげたい。
そしてふたりの忘れられない、タカラモノのような日を、ゲストのみなさんと共有し、結婚っていいなと感じていただきたい…。
そう思ったことがきっかけで、このプロデュースにつながっていきました。
ゲストの皆さんからは「あたたかい気持ちになった」「結婚って本当にいいなと思った」と、幸せな声があちこちから飛び交いました。
ライティング技術と、徹底してテーマに沿って作り上げた、物語のようなウエディング。
「くまのキラキラものがたり」は、まるで絵本の世界に迷い込んだような世界観でゲストを次々に魅了していきました。
その日、披露宴会場の入口では、新郎新婦のスキーウェアを着たマネキンがゲストを迎えました。
流木でできたコース看板に従って会場に入ると、そこは、さながらナイターのスキー場。ライトに照らされて煌めくゲレンデが広がっています。
会場の中央には、5mにもなる本物の白樺がそびえ、各テーブルには、冬木立を思わせるクロモジの木。コットンの雪が降り積もり、実物のまつぼっくりがここそこに…。
会場内は、外の世界が見事に再現されていました。
新郎新婦がおつきあいを始めた日、星が輝いていたそうです。
結婚を決めた日、雪が煌めいていました。
ふたりの大切な日の「キラキラ」が、結婚式のテーマ。
テーブルのクロモジは、雪をイメージしたキラキラ光るキャンディで飾りつけられました。
しらかばの周りには、星の形のクッキーがちりばめられました。
そんな「キラキラ」をゲストにおすそわけしようと、ふたりは考えました。
席札の代わりに、くまのオリジナルイラスト入りの瓶を用意し、
思い思いに持ち帰ってもらえるようにしたのです。
披露宴の一年ほど前、ふたりはゲレンデにいました。もちろん、スキーを楽しむために。でも、彼にはもう一つの目的がありました。彼女にプロポーズすると決意していたのです。
その1ヶ月前、フリーのウエディングプランナー荒井さやかに相談していました。高層階のレストランでプロポーズをするためにふさわしい場所はどこかと。
荒井は「そのプロポーズが、彼女のいちばん喜ぶ方法だと思う?」とだけ答えました。
彼は自信をもってYESと言えませんでした。
そこで荒井は、彼女が喜ぶことを1ヶ月の間、真剣に考えるという宿題を出します。
そして彼は1か月後答えに辿り着きます。
「彼女がいちばん好きな場所であるスキー場でプロポーズをする」と。
そこからの彼はすごかった。一生忘れることがないように、スキーをするたびに思い出せるように、プロポーズの日は、自分の誕生日の前日でありスキー場オープンの日と決めます。
その記念の日にちを刺繍した、彼女の大好きなものと一緒に指輪を渡そうと考えます。
そして、会場の手配からアイテムの準備まで、すべて自力でやり遂げました。
必要なときは、新郎新婦にとことんがんばってもらう。それが、荒井流。
結婚式の準備をとおして、相手を深く理解しあい、強い夫婦になってほしいからです。
その願いは、プロポーズであっても変わりません。
披露宴会場に、「くまのキラキラものがたり」というVTRが流れました。
絵を描くのが得意な新婦が描いた2匹のくまが、ナビゲーター。
そのくまが指輪を磨いているところから、この物語は始まります。
それから、新郎新婦の職場をたどり、学生時代、幼少時代と順にさかのぼっていく。
ふたりの歴史をたどりながら、ふたりが幸せになった理由を探していくというストーリーです。
くまたちが探し集めた11個の思い出は、最後に一つの輪になり、エンゲージリングになりました。
それを持って、2匹が向かった先はスキー場のロッジ。そこでは…
まさに、新郎が新婦にプロポーズした瞬間が、会場の大きなスクリーンに映し出されました。
一生に一度の記念すべき瞬間を収めた実際の映像です。
実は プロポーズをする際、荒井は一つだけ新郎に提案をしていました。
「プロポーズの瞬間を映像に残しておきませんか」と。
スキー場のスタッフやカメラマンをまきこんで、新婦に気づかれぬように。
「その映像を結婚式で流し二人の原点を知ってもらいませんか?」と荒井はさらに提案します。
ふたりのはじまりの日を知ったゲストからの感動の溜息で、会場はより温かい空気に包まれました。
ここで、「くまのキラキラものがたり」の2匹のくまの正体も明らかになります。
新郎が指輪と一緒に贈った「彼女の大好きなもの」、それがテディベアだったのです。
それと同時に、ゲストは、会場がゲレンデを模していた意味と、
新郎新婦がゲストに伝えたかった感謝の気持ちを知ることになりました。
そして、大きな白樺の木の下にちりばめられたくまクッキーは、
その日一日ふたりを見守ってくれた大切なゲストへのプレゼントとなりました。
この披露宴には、荒井さやかのほかにもウェディングプランナーがいました。
そう、会場プランナーです。荒井と組むことによって、学ぶことが多かったといいます。
会場プランナーとフリープランナーが協力しあうことで、
よりよい結婚式をつくれると実感したよう。
いつか、会場のオプションに「フリープランナー」の項目が増えるかもしれない。
そんなハッピーな共同作業でした。
もう一組、ウェディングプランナーがいました。
それは、新郎新婦。「くまのキラキラものがたり」は、まさにふたりがプロデュースしたもの。
そんなふたりの幸せは、ずっとつづきます。