Re-Tolocca 〜良縁をつなぐ日〜
グッドウェディングアワード2017 準グランプリ受賞
Re-Tolocca 〜良縁をつなぐ日〜
グッドウェディングアワード2017 準グランプリ受賞
新郎新婦、それぞれの生い立ち
新郎新婦は、新郎の地元・長野県でフォトブランド【Tolocca (トロッカ)】を運営するフォトグラファー。以前、プロデュースしたカップルが撮影を依頼された事で面識があり、お二人のウェディングをサポートすることになりました。
新郎は、お母様を幼少期に亡くし、叔母(父の妹)が育ての親。
京都の大学でカメラの楽しさにハマリ、大手電機メーカーに就職後も、海外留学・放浪への興味を諦められず、3年後に念願を叶え、中国〜アフリカを放浪。プロのフォトグラファーとしてやっていきたいと決意し、個人で写真事務所を開業。その後、ロンドンのスクールで1年間学びました。
話すことが好きで、自分の意見をしっかりと述べる強さを持ち、何事にも妥協をしないご新郎。結婚式を挙げることへも、受け身ではなく大変積極的でいらっしゃいました。
新婦は、京都北部の酪農家に生まれ、小さい頃より牧場の牛や動物と遊んだり、絵を描くこと、人形遊びでストーリーを妄想して遊ぶのが好き。
子供の頃は家が牛乳屋さんである事が恥ずかしいと思っていたけど、高校生になり地区の離れた友人が増えると、みんなが実家の牛乳を知っている事を誇りに思えるようになったそうです。(京都北部のスーパーに並び、学校給食にも使われている地元民にはとても馴染みのある乳製品製造会社です)
管理栄養士を目指して進学した大学時代に以前より興味のあったカメラを購入してのめり込み、地元企業に就職後も休日カメラマンになりカメラ片手に一人旅。
友人から「結婚式の撮影をして欲しい」と依頼を受けた事がきっかけでプロのフォトグラファーになりたいと決意し、独学で夢を追いかけ始めた際に新郎と出会いました。
ほんわかとした、優しい雰囲気を持つご新婦。
夢を持ちキラキラと美しい方です。
ご新郎をフォトグラファーとして尊敬されていらっしゃるのが伝わってきます。
お二人の出会い
二人の出会いは運命的でした。
新婦がフォトグラファーを目指して会社を退職し、海外旅行へ行く事を親戚に伝えたところ、知り合いに海外で活動しているフォトグラファー(新郎)がいると紹介されたことがきっかけ。
実は新郎が大学時代のゼミ活動で、新婦の親戚が経営する乳製品を活かしたショップへ研修に行き、ブランディング案を提案した事で、新婦の親戚と繋がっていたのです。
出会った二人は、フォトグラファーとしての夢や、今後について相談する内に意気投合し、共に活動していく事を決意。2015年に Toloccaを立ち上げ、ウェディングフォト、家族フォトを手がけることになったのです。
両家を結ぶ「家族式」を提案
新郎新婦から結婚式の相談があった時点で、結婚式で大事にしたいマインドの部分は持っていらっしゃったので、二人のお気持ちをヒアリングした上でプロデューサーとして、具現化していくアイディアをご提案していくことにしました。
お二人が結婚式で実現したかったこと。
・写真、映像は尊敬するクリエイターに。大切な友人のシンガーに演奏して欲しい。
・実家の牛乳や乳製品を取り入れたい。
『人と人が繋がり合う、分け隔てのない時間を共有したい』
・親族、友人、仕事関係・・とグループごとに楽しむのではなくて、そこに集まった全員が一体になるようにしたい。
・家族に友人達を紹介したい。
『見えない壁を越えられる日にしたい。あと一歩の勇気で変われるかもしれない』
・事情を抱えながらも意見を言い合い賑やかな新郎家族と、家族経営であるものの、家族の会話・団欒が無い新婦家族。互いの異なる家庭環境を見たからこそ、自分の家族に対して思う事がある。それを伝えられる日にしたい。
挙式は、人前式の意味をゲストにしっかり感じて欲しいというのが新郎新婦の要望でした。
そして挙式の場で、親・家族にしっかり気持ちを伝えることで、家族間にある見えない壁を越えられるきっかけになるのでは?という願いがあったのです。
しかし、人前式の中で、新郎、新婦共に言葉にして伝えるシーンを・・・と考えた時に、親以外のゲストがいる中で、ふたりの本音を語れるのか?(複雑な親子関係があり、ストレートに言葉にしづらいのでは?セーブしてしまうのではないか?)が気になりました。
そこで新郎新婦、親御様共に本音で向かい合える時と場所を提供したいと考えました。
長野にお住いの新郎新婦、新郎の親御様は、京都に前乗りをされる予定でしたので、当日の朝に宿泊先に家族を集め、想いを伝えるシーンを作っては?と提案しました。
それならば!と、新郎新婦は宿泊先のホテルの庭にある綺麗な別邸を手配され、ホテルに相談し、セレモニーを行える場所も確保くださいました。
新郎新婦・新郎のお父様と育ての叔母様・新婦のご両親の計6名で行う「家族式」と名付け、新郎、新婦から親御様への手紙朗読。
お互いの地元の地酒を持ち寄り、相手家族へ注ぎあい、飲み干しました。
ホテル庭園を眺める一区画をお借りし、家族6人で行う「家族式」。昔の思い出、嬉しかった事、これまで言い出せなかった本音が溢れます。
新婦:「私たちの家族がより深まって、仲良くなるきっかけの日にしたいと思っています。今日から新たな気持ちで、お父さんとお母さんに向き合っていきたいです」
「互いに持ち寄った地元のお酒を相手家族に振舞い、飲み干します。味の感想を言い合いながら、ふっと緊張感がほぐれた瞬間でした。」
家族式後、ふたりがこの結婚式で乗り越えたかった壁は、大きく形を変えてくれたように思います。
それを私たちスタッフもとても嬉しく思っています。
今回結婚式を挙げられる上で、最重要ポイントになる場面を式の中のひとつのシーンにするのではなく、切り離して考えた事で、その後の人前式、披露宴にもメリハリが付けられたと思います。
大切な人を大切な人に紹介したい!披露パーティーはゲストの出会いの場に
会場のモダンな雰囲気と、ふたりが好きなフィルムカメラが生まれた時代背景(明治初期〜大正)をデコレーションテーマにし、ベルベットの赤色をポイントカラーに。
素材を生かし、テーブルクロスは敷かずに、両家の家紋を施したランチョンマットを用意しました。
高砂周りには、新婦のおじいちゃんの私物の映写機を飾りました。
新婦実家の牛乳や乳製品をメニューに取り入れてもらうよう会場側に交渉。
事前に試作を重ねてくださり、オリジナルメニューが叶いました。
乾杯は牛乳で、牧場の創業者であるおじいちゃんに乾杯のご発声をいただきました。
ゲスト同士の新たな出会いの場、大切な人を、大切な人に紹介をしたい!という二人の希望。
席次表の肩書き欄には、新郎新婦からの一言ゲスト紹介を入れ、披露宴中には、新郎新婦がゲストの元へ行き、グループ・ひとり一人を、笑いと涙を交えながらご紹介されました。
話すのが好きなお二人。新郎新婦が主になり、ゲストをもてなしている事を感じられる時間になりました。
高砂でゲストひとり一人の写真撮影。カメラマンは新郎です。
会場に入ると新郎新婦の姿に、ゲストもこの表情!
パーティー中に新郎自ら撮影したゲストの写真をセレクト&印刷。フォトフレームの席札スタンドにこの写真を入れて記念品としてお持ち帰りいただきました。
全員カメラを構えて集合写真。大判のフィルムカメラでこだわりの撮影に新郎は興奮!
乾杯は新婦の実家で作られた牛乳で!牧場の創業者であるおじいちゃんのご発声でゴクリ!
料理メニューには、新婦実家・親戚のお店で作られたチーズやバター、ミルクを取り入れていただきました。
ランチョンマット、席次表や招待状などのペーパーアイテムには、両家の家紋を入れました。
新郎新婦によるゲスト紹介。友人のシンガーから歌のプレゼント。新郎企画のサプライズのムービー。友人からの祝福のスピーチ…etc. パーティー空間が笑いと涙に包まれました。
口数が少なく、新婦、そして新郎ともあまりコミュニケーションがなかった新婦お父さん。嬉しそうに新婦の写真を撮ったり、新郎と腕を組んで写真撮影をするお父さんの姿は、二人の想いが伝わった証だと思いました。
パーティー中も、新郎新婦は手元にカメラを持ち自由に撮影。撮る方も、撮られる方も笑顔です。
フィナーレの《写真〆め》。ゲストにカメラを構えていただき・・・、新郎新婦の「写真とろっかー?」の合図で、紙吹雪が舞い散る。キラキラ輝くフィナーレとなりました。
お見送り。ゲストの皆様、そして私たちにも「ありがとう」「最高だよ」、何度もそう伝えてくださいました。
おひらき後、女性のご友人ゲスト、仕事関係の方、ご親族・・・と、お見送りをする私に、「とっても良い素敵な結婚式でした!」とお声をかけに来てくださいました。
当日ご参加されていた、新郎のご友人様(女性)が、「これまで沢山の結婚式にお呼ばれしたけれど、池田夫妻のあの結婚式が本当に印象に残っている。自分も二人にようなお洒落でオリジナルな結婚式がしたい」と結婚式のお申し込みをいただきました。
二人が結婚式で作りたかった、「人と人との繋がり」は、私たちも繋がりました。
会場:京都モダンテラス
写真:
Nobuyuki Taguchi
Hisashi Mukai
Tolocca (トロッカ)MasaHiro&Asami
映像:月山映像
プロデュース:CALARS (カラーズ)
おふたりからのメッセージ
今回「モダン」と「両家の家紋」を用いたその心は、昔の結婚式には家と家との繋がりや、人同士の繋がり、深いコミュニケーションがちゃんとあったよね?という事で、両家・両友人同士の良縁を繋ぐ日というのを目指しました。
地元のお酒の飲み交わし・新婦実家の牛乳で乾杯からはじまり、全てが調和して、びっくりするほど涙が出ました。もう全てが最高でした。
新郎・M
私たちはなぜ結婚式を挙げたいのか。式をすることの意味を二人でいっぱい話し合いコンセプトや形を決めていきました。
結婚式でうまれた新しい家族の形、様々なご縁はきっとこれから動き出していくでしょう。
ゲストの皆様にも大変楽しんでいただけたようで、素晴らしい感想の数々に、私たち自身がまたこの式を行った意味を、しみじみと感じています。
最後のキラキラした紙吹雪が、本当に夢見たいな、目一杯楽しんだ1日でした。
新婦・A
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