還暦の直前まで式を挙げぬまま時が過ぎ…
どこのお店に行っても相手にされず、あきらめかけたその時
還暦の直前まで式を挙げぬまま時が過ぎ…
どこのお店に行っても相手にされず、あきらめかけたその時
「結婚式を挙げないまま年を重ねてしまったので、妻の願いを叶えたいのですが」
一番最初にお話を伺った時に、ご主人は優しそうな笑顔を浮かべてそうおっしゃいました。
「日にちの希望は特にないので、出来るだけ早く写真が撮りたいんです。
仕事の関係で水曜日しか休めないのですが、それでも可能でしょうか?」
ウェディングフォトで有名な写真館やスタジオ、ドレスショップや着物屋さんをまわって、何度もご相談したそうですが、どこも
「ドレスのサイズがないんです。少し痩せてから来て下さい」
「日にちが決まっていないと衣裳はお見せ出来ないんです」
そう言って相手にしてくれなかったそうです。
もう写真は撮れないかもしれない…。とあきらめかけたその時に、
とあるドレスショップの看板を見つけて、予約もナシに飛び込んだそうです。
そのドレスショップはSo-magicが何度となくお世話になっているお店でした。
そこの店長は50代の女性。奥様のお気持ちに共感してドレスの試着をオススメすると、
奥様は余りの嬉しさに感激して涙を流されるほど。
それを見て思わず店長は
「なんとしても奥様にドレスを着せて、写真を撮らせてあげたいの!
そうまさんなら何とかしてくれるかと思って電話したのよ!!」
と、ありがたいお言葉に素晴らしいプレッシャーを上乗せして、私に電話して来て下さいました。
店長から事情を伺い、お話をしている間も私の頭の中は
「お支度はどこでする?撮影はどこで?カメラマンはどうする?」とグルグル考えていました。
そうしてひらめいたのが、友人夫婦が経営するレストランを使わせてもらえたら!というアイデア。
まだオープンして間もないレストランはシェフ(夫)とフラワーコーディネーター(妻)の共同経営で、
フラワーアレンジメントのレッスン用に個室が備わっています。
そこを支度部屋に使わせてもらい、目の前の大きな県立の公園でロケ撮影。
そうすれば素敵な写真が撮れるに違いない!とワクワクしてきました。
もちろんカメラマンは広告なども撮る腕利きの人を手配します。
早速レストランに相談すると「素敵!ぜひウチを使って!」と快く承諾してくれました。
事前にお2人と下見も兼ねて、そのレストランで打ち合わせをすると、奥様が
「もう写真は撮れないかと思って諦めてたけど、こんな素敵な所で撮れるなんて♪
付け毛とか付けちゃおうかしら♪」
と嬉しそうに話すのをみて、女性にとってドレスはいくつになっても憧れなんだな。
と私も嬉しくなりました。
当日はカーラーを巻いてメイクをしているとウキウキしたご様子の奥様。
そして、趣味の釣りで日焼け後が絶えないご主人の顔もメイクさせていただくと、やはり照れ笑い。
衣裳を身に着けてから、カメラマンがスタンバイしている撮影ポイントに向かいます。
立ち姿のカチッとしたポーズや、木々に囲まれた森の中のようなところでの自然な写真も撮ったあと、
「今度は座って、お2人でお話してるような感じでお願いします」とカメラマンがリクエスト。
するとご主人が
「本当にね、もう無理かと思ったけど、こうして皆さんのおかげで写真が撮れてね、本当に良かったね」
と奥様に話しかけました。
すると、奥様の目からポロポロと涙がこぼれ落ちて…。
この撮影がどれだけ嬉しかった事か。その場にいたスタッフも涙腺がゆるみそうになりました。
まるで神殿のような素敵な場所です。
木々に囲まれた、森の中にあるチャペルのようです。
ご主人の「撮影できてよかったね」の言葉で涙ぐむ奥様。
気をとりなおして、笑顔いっぱいの奥様。
その後も指輪交換の写真、付け毛をつけてティアラから生花へのヘアチェンジ、お花の前で、
噴水をバックに、とお2人のご希望を一つ一つ伺いながらたくさん写真を撮っていきました。
ご主人たってのご希望で指輪交換の写真です。
奥様も嬉しそう。
奥様念願の、付け毛を使ったヘアチェンジ。
まるで絵画のような一枚。
タイミング良く噴水の前で。
とっても素敵なブーケ。
お二人揃って指輪の写真。
そうして2時間近い撮影を終え、「もう十分に撮っていただきました」と満足げなお2人を連れて、
レストランに戻っている時です。
ご主人が私に「妻とは駆け落ち同然で結婚したので、式どころじゃなかったんです。
その後も子供が産まれたり、仕事が忙しかったりして、そんなヒマもなかった。
でも、還暦を前にして足腰も弱くなってきたから、撮るんだったら今しかない!と思って色々と探したんです。
でもアチコチで断られて、もうダメかと思った時にこうして素晴らしい皆さんと出逢えた。
おかげで妻の長年の夢を叶えてやることも出来ました。本当にありがとうございました。」と言って下さったのです。
私は、思わずこみ上げてくる涙を笑顔で押し戻しました。
ただの、いちブライダルヘアメイクだった私が「お客様の思い出づくり仕掛け人」として目覚めたのがこのご夫妻との出逢いだったと思います。
マニュアル仕立ての大手の事務所やスタジオでは出来ない、お客様ひとりひとりの思い出を心に刻み込むため、私の持てる能力をすべて注ぎ込む。
完全にオリジナルなウェディングプロデュース。
So-magicは写真スタジオでも写真館でもありません。
ロケ撮影はただの撮影ではなく、小さな結婚式と考えています。
だからこそ、様々なアイデアを考え、皆様が喜んでくれることを考えています。おかげさまでお友達やご姉妹を紹介して下さる方が後を絶ちません。本当にありがたいことです。
快く協力してくれたAngelicaさんにて。
おふたりからのメッセージ
妻とは駆け落ち同然で一緒になったので、結婚式など挙げられる状況ではありませんでした。
還暦を目の前にして「ウェディングドレスが着たい」という妻の願いを叶えてやろうと思い、ネットであちこち問い合わせてみました。ですが、どこも相手にする気はハナから無いようで、サイズがないとか、日にちが分からないと無理とかそんなことばかり。
所詮は自分たちの都合のいい客しか相手にしないのか。と諦めていた時に飛び込んだドレスショップで、そうまさんを紹介してもらいました。
「出来ない」ということではなく「どうやったら出来るか」という事を考えて下さっているのが伝わり、この方にお任せしようと思いました。
日にちがないにも関わらず、手配して下さった撮影当日、恥ずかしながら私も初めて顔に化粧品を塗ってもらいました。照れくさかったですが、釣りでさんざん日焼けしてシミだらけになった顔があっという間に綺麗になったのには驚きました。
カメラマンの他のスタッフの方も皆さんいい方ばかりで、ニコニコしながら同行してくださったので本当に嬉しかったです。
何よりも妻の喜ぶ顔が見れた。嬉しそうな笑顔を見て、本当に撮影が出来てよかったと思いますし、そうまさんには感謝しています。急なお願いを快く引き受けてくれて、本当にありがとうございました。
Sご夫妻
この記事「還暦の直前まで式を挙げぬまま時が過ぎ…」に関するお問い合わせ
このメールはウェコの編集部が受け取ります。 ここでのお問い合わせは直接本人へメールが届きませんのでご了承ください。 なお本フォームよりメールを送信する際は次のプライバシーポリシーに承諾したこととさせていただきます。 あらかじめめご了承頂ますようお願いいたします。