「温故知“親”」先人へのリスペクト
趣ある日本のアンティークウエディング
江戸文化がお好きで、粋に着物を着こなす昌之さん、その影響で着物に親しむようになった幸子さん。日本の古き良き文化を通して、ゲストへの感謝を伝えたいとのご希望から、この「温故知“親”」というテーマが生まれました。
江戸情緒と現代の東京を一遍に味わえるロケーションで、和のおもてなしを作り上げたおふたりのご婚礼です。
抜けるような青空に東京タワーがくっきりと。
おふたりのご出身地が京都、新潟ということで、今おふたりが住まう現代の東京、そして古きよき
江戸その両方の空気をゲストに味わってもらいたいという想いを持っての会場探し。
挙式は当初より江戸の総鎮守である「神田明神」でお考えでした。披露宴は神社からの移動や横本家のお父さまが車イスであることを考慮して、江戸の情緒を感じられ、東京のシンボル・東京タワーを間近に見上げる「芝 とうふ屋うかい」をおすすめ。
建物はもとより、ホスピタリティの素晴らしさに、ゲストを大切に考えるおふたりにも安心しておもてなしを託していただけたようです。
お化粧の仕上げはお母さまの手で。
白無垢はご新婦のふるさとの衣裳屋さんから届いたものです。
ご新郎は横本家の珍しい家紋を張り紋に。
グラフィックでデータを自ら起こしてあつらえた秘かなこだわりの1つ。
クリエイティブなお仕事をされている昌之さんは、ご友人にもクリエーターが多数。
衣裳、写真、引出物等、友人・知人の方が強力にバックアップ。
特に写真にこだわるご新郎、ご友人のカメラマンに依頼して、前撮りも含めてとうふ屋うかいの素晴らしい館内や庭園でたっぷりと写真を撮影。
当日はご新郎の元ご上司の名ディレクションが加わって、撮影にも一層熱が入りました。
挙式に神田明神を選んだのは江戸を守る総鎮守の神社だから。
江戸から続く木遣歌を先導に参道を進みます。
ゲスト全員に参加してもらいたいというおふたりの希望が叶いました。
神社から披露宴会場への移動はおふたりがバスをご手配、プチ東京観光をしながら移動するという粋な配慮もされていました。
受付にはご新婦のお祖母さま手作りの毬を花と一緒に飾ってゲストをお出迎え。
靴を脱いでくつろいでいただけるのも料亭のいいところ。
BGMは琴の演奏。日本の伝統の音色と風情でゲストをおもてなし。
可愛らしいイメージにまとめた秋色の装花。
アンティークな色合いが古い日本家屋にしっくりとなじみ、テーマをも表現しています。
席次表にはゲストの肩書とともにひとこと紹介文を掲載。
ゲストとおふたりとの関係がよくわかるようにしました。会話が弾む1つの仕掛けです。
招待状からペーパーアイテムにはご両家の家紋を取り入れました。
ゲストとたくさん接することができるように、演出は控えめにし、歓談時間を多く取りました。
メインテーブルの周りには常にゲストの姿が。
ご新婦のお色直しはアンティークの振袖。良家の娘さんが嫁ぐ際にまとったであろう素晴らしい
衣裳。古い時代の流行で柄が大きく華やかさがありながら、優しい色合いがご新婦の可愛らしさを引き立たせてくれます。
ヘアアクセサリーとブーケはなんとバルーン製!ご友人のバルーンアーティストさんの作品です。着物の柄に合わせて色や形を考えていただいた作品で、いわば新旧の匠のコラボレーションです。
振袖に合わせてご新郎もモスグリーンの紋服にお召し替え。
入場の際にゲストにこだわりの衣裳を司会からアナウンス。
ご新郎は丸メガネをかけてアンティークな雰囲気を盛り上げるこだわりようです。
おもてなしの目玉は「江戸売り声」を全国で唯一受け継ぐ宮田章司師匠が登場!
江戸時代の庶民の生活や季節感を感じさせる売り声を大いに楽しみました。
「本当にあたたかい空気に包まれた最高な式だった」というゲストのお声がとても嬉しかったというおふたり。おふたりのゲストへの心配りがあってこそなのですが、「ご列席頂いた皆さんが作ってくれた空気のおかげでした。」と謙虚におっしゃいます。
ゲストとの交流をメインにしたプログラムで進めた披露宴。
新郎新婦がゲストを想い、ゲストが新郎新婦を想う…そのあたたかな空気が満ちたクライマックスで、昌之さんが制作したプロフィールVTRを流しました。
ゲストも一緒に写った懐かしい写真を、シンプルに音に乗せて見せていくVTR。
新郎がそこに込めた静かな想いに涙するひととき。想いを交わし合っているお顔ぶれだからこそ生まれた一体感でした。
おふたりのゲストを楽しませたいという想いがアイディアとして溢れていたので、私はそれらをウエディングらしい姿に整える役目のみに専念させていただいた感じでした。
プランナーとして、素晴らしい時間を共有させていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
おもてなしとこだわりの両方を追求して、幸せな時間を創り上げられたおふたりに幸あれ!
フォト/板山拓生、板山哲也(studio g-mac)、中島 伸純
ブーケ・ヘッドアクセサリー/Daisy Baloon