障害を持つカップルが結婚式をするということ
「普通の結婚式がしたい」を叶えた、ご夫婦インタビュー
障害を持つカップルが結婚式をするということ
「普通の結婚式がしたい」を叶えた、ご夫婦インタビュー
2017年2月11日、満月の日。
発達障害を乗り越えて、一組のカップルが夫婦になりました。
「生きている価値がない。
人に蔑まれる人間だ。
こんな世界に生きていたくない。
私の普通が人の普通ではないことで、
沢山のいじめにあいました」
新婦のお手紙の冒頭の言葉です。
時には涙でつまりながらも読みあげた手紙
しっかりとゲストの心に届きました。
新郎も発達障害が解ったのが数年前。
そんな二人が苦しみながらも、
夢にまで見たのは「普通の結婚式」でした。
たくさん傷ついてきた人生だけど、
来てくださったゲストは、皆二人の事を大好きな方ばかり。
本当にピュアな二人。
絶対に結婚式をして、今まで支えてくれた友人に感謝をしたい。
そしてそんな場所は、結婚式しかない。
強い想いを受け止め、全力でサポートしてきました。
そして、お二人に出会ったからこそ
教えられた事がたくさんありました。ありがとうございます。
今回、お二人のサポートをして、
発達障害を持ったカップルが自分たちで結婚準備をしようとすると
様々な困難があることを知りました。
そして、私たちのようなカップルに寄り添って
結婚式をサポートすることができる
フリーランスのウェディングプランナーの存在がとても必要だと感じました。
発達障害を持った人が結婚準備をしようとすると
どのような問題に直面するのかを
体験談としてweco編集部に取材インタビューしていただきました。
weco編集部 取材インタビュー
今回のお二人へのインタビューは、対面では即答するのが難しいということでアンケート形式で回答いただいた内容を元に編集部で文章化させていただきました。(編集部・髙橋)
Q:婚約後、結婚式をしたい!と思った理由は何ですか?
新婦*
私はカトリック信者ということもあり、カトリック教会での挙式を考えていました。
カトリックの教義では結婚は「秘跡」として扱われる重要なことで、「教会で挙式をしないと結婚をしたとみなされない・入籍は挙式をしてからする」という決まりもある位です。それくらい重要なことと考えられている結婚式を「大人のけじめ」としてもきちんとやっておきたいと思いました。
お互いが結婚を意識し始めた頃、彼は1年間のカトリック入門講座を経て洗礼を受けるなど、結婚に向けて少しずつ準備もしており、婚約をしてからは結婚式の準備に取り掛かかり、挙式を経て入籍に至るという流れを想定していました。
それ以外の理由として、私はこれまで一度も結婚式に参列したことが無かったのです。
ですから、結婚式とはどういうものか自ら体験してみたいと思ったことも、結婚式をしたいと思った動機のひとつです。
Q:結婚式というものにどうのようなイメージを持っていましたか?
新婦*
『大切な人達に囲まれて皆から祝福される、皆が笑顔で楽しく幸せな結婚式』という「よくある結婚式の光景」に物心ついたときから憧れがありましたし、その様子をイメージしたりすることもありました。
しかしこれまでの人生、虐待などがある環境で育ったことやいじめを経験してきたこと、障害で苦手な事も有るということなどが現実であり日常で、「よくある日常の光景」は自分にとって全く縁のないような別世界とまで思っていました。
ですから、結婚式でもそれは叶わないことだろうと諦めていました。
新郎*
私は結婚式に参列したことがあると言ってももう20年近く前ですから、昔からよくある結婚披露宴のイメージです。
うちは家族の問題はそこまで酷くはなかったのですが、彼女のほうの親や親戚が実際に礼節がない上、彼女の事をきちんと見ようとしない、自分のことにしか興味がない、現実逃避する人達だと感じたので、これまでの彼女の苦悩も痛いほどよくわかり、そうなると、よくあるイメージ通りにやるのも難しいだろうということも思いました。
Q:花嫁衣裳を着ることには憧れはありましたか?
新婦*はい、ウェディングドレスを着たいと思いましたし、彼のタキシード姿も見てみたいと思いました。
ドレスを着て「写真だけ撮る」方もいるようですが、やはりちゃんとけじめとして挙式をしたかったのと、結婚式はきちんとゲストを招待したいという憧れもあったので、簡易な「写真だけ」は考えていませんでした。
Q:挙式は、どのような希望がありましたか?
新婦*
挙式は、カトリックの決まりもあり、通っている教会でやることは決まっていました。
挙式日は復活祭(イースター)より前の頃で、個人的には新月か満月の日にやりたいと希望していました。
復活祭より前なのは、彼の入信前からお世話になっている神父様に司式していただきたいと思っており、復活祭の時に人事異動で主任神父が交代する可能性があったため、それまでに挙行したかったからです。
聖書の朗読箇所は「愛について」書かれている私が好きな一節にしたいと決めていました。
「暴力や暴言でいいように支配してきた親とは決して同じようにはならない。自分たちは愛や思いやり、礼節がきちんとある夫婦に必ずなる」という事もはっきりと決意したかったのです。
新郎*
「結婚」自体が『互いを尊重し高めあっていきながら生涯を共にしますという契りを公に対しても表明する事』だという彼女の考え方に共感したので、宗教的なものとしても厳かな雰囲気でしっかり執り行いたいと思いました。
二人とも信者ということもあり、聖体拝領もあるミサ形式を希望していました。
Q:披露パーティはどんな希望がありましたか?
新郎*
せっかくやるのだから憧れを現実のものにしたいと思い、叶わないとまで思っていた「よくある結婚披露宴の光景」、『大切な人達と一緒に皆が笑顔で過ごせる楽しくて幸せなパーティー』に敢えて挑戦してみようと思いました。
「結婚を機に更に成長したい、高みを目指したい」そのために苦手なことにも挑戦しようと思いました。
彼女には、発達障害の特性でもある「こだわり」のうち、一つに「各方面から考えて、納得できるようなきちんとした理由や動機がひとつでもあること」というものがあり、生きる術としても普段から大切にしている事なのですが、会場見学をしていた頃にも「そもそも何のために披露宴ってやるんだろう?」という疑問が彼女にはあり、それについて二人で話し合いをしました。
その中で、『これまでの人生で辛かったり苦しかった時に自分達を支えてくれた、生きようと思わせてくれた人たちに感謝の想いをきちんと伝えたい』という考えが出てきて、パーティーの最終的なテーマも『これまでの辛かった人生を生きる上で、私達を励まし支えてくれた皆様への心からの感謝のメッセージと明るい未来へ一歩一歩進んでいくという決意表明』になりました。
新婦*
披露パーティーは、準備も当日も、自分達で出来ることは自分達でやる、ゲストに依頼することは極力避けるという考えでした。
というのも、「披露宴についての疑問」を話し合っていた時に、一般の披露宴でよくある「乾杯のあいさつやスピーチ、余興をゲストにお願いする」ということの違和感や疑問がでてきて、「これまでの人生経験上、招待して、皆が会いに来てくれるというだけでも私たちにとっては有難い(恐れ多いくらい)ことだというのに、なぜスピーチや余興を来てくれた方に頼むのだろう?」という疑問が出てきたのです。
演出に関しては、後々振り返って冷めるようなことはしたくないと決めていました。
理由や動機付けがはっきり出来ないもの、例えばキャンドルサービスやシャンパンタワーみたいな自己満足でしかない演出は、後々振り返ると恥ずかしくなるだけだし、ゲストに対して失礼のような気もしたので、それよりも全員がもれなく参加できて皆が笑顔になれる演出をしたいと思いました。
Q:違和感を感じる、納得できないことは極力しないようにしたのですね。
新婦*後々、振り返って後悔や納得いかないような結果はなるべく作らないというのはすごく注意していました。
その理由は、フラッシュバックで怒りや後悔の念が噴出するという発達障害の特性があり、それは何の前触れもなく起きるもののため、後々自分や周囲に影響を及ぼさないためです。
予想として、当日の写真やビデオを見返してみて「あの時ああしておけばよかったな…」と思ったところからフラッシュバックに陥る可能性があり、そうならないためにも予防線として「満足のいく結果」や「ここまで自分はやり遂げられた」という達成感に繋がるものをどうしても残さなければいけませんでした。
Q:結婚式の準備で困った事、悩んだ事などがありましたか?
新婦*初めの式場見学をしている段階、行く先々の会場で自分たちの発達障害について話したときに、「そうは見えませんよ~」とか「普通ですよ」みたいなポジティプな言葉をかけられたり、目に見えないけれど障害があるということを理解してもらえないことなどが必ずといっていいほどあり、それが地味に傷つきました。
というのも、言った側はセールストーク上の誉め言葉のつもりだと思いますが、当事者としてはそうではないんです。
私たちは、障害が有ることを、成長したりがんばったりしなくてよい、甘えていい理由にする気は毛頭ありません。
私たちにとっては「自分」を構成している要素のうちのひとつとして捉えており、一生向き合うものだとも思っています。
確かに辛い事もありますが、すべてを不幸だとは思っていません。
自分の為にも周囲とより良く付き合う為にも自分の障害の事について話すのです。
精神的な障害は目に見えないから尚更表明するしかないのです。
今回の事で言えば、結婚は人生で重要で大切なことだと思っているし、その上大きなお金が動くことでもあります。
だからこそ、お互いより良い付き合いが出来るようにするために話したのです。
でも、その時に返された「誉め言葉のつもりのポジティブな言葉」は、これまで経験した葛藤や悩みや苦しみも、それを乗り越えて得られた自信や勇気も一掃して無かったことにしてしまうのです。
自分の不安点を話すと、セールストークながらの無駄にポジティブな言葉をかけられて「自分たちは馬鹿にされている、世間にとっての底辺の人間だからこういう場はふさわしくない」と考えるほかなく凹んでしまうこともありました。(発達障害の特性上、状況によっては本音と冗談や社交辞令の判別が難しいので、一層混乱します)
自分達の考えや思いをきちんと受け止めた上でしっかり考えてくれる人が周りに一人として居ないという状況なので、自分達でそのモヤモヤした気持ちをどうにかして消化していくしかなかったのです。
Q:式場の考える結婚式のイメージには温度差を感じた?
新婦*見学をしている段階で式場側から提案される結婚式のイメージもやはり「家族の仲が良くて、友だちも沢山いて、新婦はお姫様のようで・・・」という、キラキラしたイメージ、その場だけ楽しければ良いというイメージばかりなんです。「家族環境が複雑」も「障害者」の存在もない、隠して無かったことにしている印象があるのです。
そうなってしまうと、結婚式において私たちが決めているテーマや思いというのは叶わなくなってしまいます。
(これまでの人生で苦い経験をして来た分、ごまかしたり隠しても意味がないという事も解っていますし、ありのままの自分を出さないという事の方が後悔も大きいとも思っていたからです)
「実際の環境や状況が全く違う自分達には結婚式は無理なのか?自分達のイメージや、やろうとしているアイデアはおかしいのでは?」と、自信がなくなってしまいました。
自分たちの考えや理想を「今回もまた」無かったことにされてしまうんだろうなと思いました。
また、自分達の結婚式に、果たしてゲストは来てくれるんだろうか?という不安(自分が知らない問に相手を傷つけてしまっていて実は嫌われているのではないか?という恐れ)もありました。
そんなことが積もり積もって、何回も諦めようと思ったことがありました。
Q:フリープランナーの古橋多恵子さんに、結婚式の相談をした理由は?
新郎*会場は無事に決まったものの、担当さんが「多分」や「おそらく」といった仮定形の言葉を多用していて、自分たちのイメージ通りの披露パーティーが出来るのか、不安感が一層増してしまったことがきっかけです(その後、諸事情で担当さんが変わり、状況が一層解らなくなってしまいました)
私たちは、話からイメージすることが場面によっては苦手なこともあり、結婚式の場合は特に仮のイメージの中で話を進めていかなければならないので、担当さんの言っている話がすぐに理解できなかったのです。
彼女はこれまで結婚式に参列した経験が全くないので尚更です。
また、自分たちの思い描いている物事を伝えるのにどのような手段を取ればうまくやり取りできるかが分からなかったので、相手に上手く伝わらないストレスもありました。
結婚式の準備は様々な項目がありますが、マルチタスクをこなすのが苦手で、どの項目をどの段階でこなさなければならないのかの把握も難しく、段取りがこんがらがってしまうこともありました。
そんな事が積み重なり、仕事で忙しい私に代わって積極的に仕切ってくれていた彼女の方が精神的に参ってしまいました。
更には、自分たちが考えている内容やアイデアが正しいのかどうか、ゲストに対して失礼ではないものなのか判断してほしかったけれど、客観的なアドバイスを聞ける人が親も含め私たちの周りには全くいなかったので、助けてもらえるプロを探したのがきっかけです。
Q:古橋さんに相談をしてみて、良かったと思ったことは何ですか?
新婦*最初に私たちの想いや考え、テーマ、これまでの事や感じた事などあらゆることを一通り話しました。
すると、自分達の思い描いていたことや考えていたことを、ここへ来て初めて「それで間違っていないよ」とはっきり言ってくれたのです。
私たちがイメージしていた披露パーティーは前例がないような形式のパーティーだったのですが、(挨拶は自分たちで、余興もゲストに依頼せず、ゲストには一切負担をかけないようにしたい。親や親族関連の演出をあまりやりたくない等)、そういう内容の結婚披露パーティーでも大丈夫なんだと確信を持つこともできました。
古橋さんは、ブライダル業界の押し売り(プチギフトを送るべきだとか、引出物はこれくらいなければ失礼だとか不安を煽ったうえでのセールス)に準じて物事を決めることは決してなく、ゲストに対して失礼がないようにするために最低限必要な物事だけを取捨選択してくれたので、それを生かした上で自分たちのやりたいことや出来ることがさらにはっきり見えるようになりました。
また、古橋さんが式場と自分たちの間に入ってもらうことで、式場側が言う話をプロとしても分かりやすくかみ砕いて教えてくれたり、私たちのイメージを補足しつつ伝えてくれたりもしたので、思い描いていることを伝えやすい環境が出来たのも助かりました。
これまでの人生で「理想を形にする」という事がほとんど叶わずに生きてきたので、そういう点でも希望が見えました。
Q:結婚式の準備ではどんなサポートやアイデアをもらいましたか?
新婦*スケジュール管理から当日のタイムテーブル、テーブルの配置など、基本的なことはすべてサポートしてもらいました。
特に、現実的な予算の中で、いかに無駄なお金をかけずに自分達らしい演出が出来るか、会場の装飾のアイデア、引出物などについても提案していただきました。
自分達がやってみたい演出やアイデア(雑誌風のプロフィールブック、自作のオープニングムービー、新婦のお仕事に因んだ占いカードの活用、即興劇団による余興、新婦からゲスト宛の感謝の手紙など)をどうやって取り入れるかも積極的に考えてくれました。
教会で使用した装花を披露パーティーの装花の一部に流用するということもしました。
障害の特性もあって当日の実際の会場の様子を頭でイメージすることが難しかったので、装飾リハーサルをしていただき、テーブルセッティングや壁の装飾などを実際に目で見ながら決めていったり、自分たちの当日の動線を確認したりもして、不安だったことを一つひとつ解決してくださって、安心しました。
Q:プロにサポートしてもらって不安が解消されましたか?
新婦*私たち側のアドバイザーとしてサポートやプランニングしてもらえることで、話し合いの過程で生じたトラブルに対しても冷静に対処することができました。
慣れない事が多い中、過集中や思考がフリーズしてしまうといった発達障害の特性もあり、その上自分から休憩することも苦手なので、適度に休めるよう声をかけてくれました。おかげで、精神的・肉体的にも体調を崩さずにすみました。
苦手なタスク管理も一緒にひとつずつ確認しながら確実に処理していくことで、混乱することも不安も無くなりました。
「何を見ていてどんなことを考えているのか」それぞれの頭の中身をきちんと話し、すり合わせを行うことで、目標や目的のズレやそこから生じる混乱を防ぐこともできました。
そうするうちに、意思表示することに臆病だった私たちが、自己主張できるようにもなってきました。
すると、私達も会場側も落ち着いた状態で思い思いにアイデアを出し合えて、スタッフさんまでも一緒になって過程を楽しんでくれるという素敵な結果になりました。
皆で協力し合って一緒に作り上げたという感じで、準備から当日までとっても楽しかった!
前日に会場装飾を色んなスタッフさんと一緒になってワイワイしながら楽しく出来たのも、とっても良い思い出です。
そのうえ、精神的に余裕が出来たおかげで、自分たちのお互いの良い点や意思疎通の手段(絵や図を描いて説明するとお互いの理解が速い、等)、今後の生活に活かせる工夫を発見できたりと、思いがけない収穫があったのも嬉しかったです。
Q:結婚式当日、お二人にとって記憶に残る出来事は?
新婦*
「どんなに憧れても叶うはずがないと諦めていた光景が本当に実現できたんだ」という事につきます。
そして、来てくださったゲストがとっても喜んでくれたのが一番嬉しかったことです。
挙式で聖堂の扉が開いたとき、そこにゲストの皆がいてくれた時は、喜びは勿論、安堵感もありました。(というのも、昔、約束した待ち合わせ場所に誰も来ないといういじめに遭い、そのトラウマをずっと引きずっていたんです)
余興の即興劇では、会社では見せることが出来ない「普段の彼の良い所や人柄」も、会社の方に見せることができました。
彼が私にサプライズをやってくれたことも嬉しかったです(多分、本人ひとりでは難しかったと思う)
ゲスト宛の感謝の手紙は、『これまでの辛かった人生を生きる上で、ゲストとして来てくださっている皆様にそれぞれの時に支えられて乗り越えられたという事への心からの感謝のメッセージと一歩一歩前に進もうという決意表明』という意図で私たちの発達障害の事を知らない人にとってはカミングアウトのような感じにもなったのですが、皆きちんと聞いてくれて安心しました。同時に、自分がこれまで経験してきた「辛かった」という感覚が間違いではなかったと認識もできました
新郎*
実は、プロポーズの時はサプライズのつもりでいたのですが、結果的にはちょっと中途半端な形になってしまったので、当日リベンジをしたいと思っていました。そこで、自分で考えて行動に起こしたり、古橋さんにも協力してもらって無事に成功させることが出来ました。
そして、何よりこのサプライズを彼女が心から喜んでくれたことが一番嬉しく、自分も自信を持てました。
20年近く会っていなかった友達にも会って、昔と同じように接してくれて、当時楽しかった頃の記憶も蘇ってきました。
余興などでもゲストの皆が楽しんでくれたり、驚いてくれたりして、「自分達のアイデアで、人に何か与えることが出来るんだ」と自信を持てました。
Q:結婚式当日、ご出席のゲストの皆さまの反応はいかがでしたか?どんな声をいただきましたか?
新婦*皆さん、口々に「本当に素敵で感動した」「本当に良い結婚式だった」と言ってくれました。
当日は、新郎新婦がゲストと同じテーブルで会話と食事を楽しむスタイルだったのですが、とても斬新だったと好評でした。
二人でウェディングケーキを運んだり、ケーキをゲスト一人ひとりにサーブした事も温かくて良い雰囲気だったとのこと。
最後の感謝の手紙では、虐待や様々な生い立ちも赤裸々に話しましたが、「この結婚式を機会に明るい未来を目指そうという気持ちにものすごく感動した、聞いている側も嬉しかった」と、ゲストから言われました。
新郎*会社の人や友人から「(余興で演技したのを見て)今まであんなすごい一面があるとは知らなかった」という感想や「公開プロポーズについても驚いたが、こんなすごい結婚式を出来ることに更に驚いた」という自分の意外な面についての感想もあり、非常に嬉しい反応でした。
「最初から最後まで、皆さんに楽しんでもらおう、ありがとうを伝えよう、そんな思いがたくさん伝わってきた」、「様々な結婚式に参加したけれど、おもてなしとか、感謝の気持ちとかをこれほど感じたお式は、お世辞でも何でもなく、これが初めて」という感想もありました。
Q:結婚式を振り返って、「結婚式をして良かった!」と思えたことはどんなことでしたか?
新婦*
自分達の中では「一つの大きな物事をやり切った!」という達成感と自己表現における自信を持つことが出来ました。
自分たちも普通の人と同じ土俵に立てるんだという確信もでき、そこから普段の生活や仕事においても自信を持って胸を張って行動や表現に起こすことが出来るようになりました。それに、友達との距離もより深くなりました。
家族や過去の問題についても、「自分は現実から逃げなかった。これまでの辛かったことを超えられた」と感じました。
「これまでの人生は本当に辛いことが沢山あったけれど、生きていて良かった」と、今では心からはっきりと言えます。
新郎*
会社では上司の反応や対応が『「自分」という人間をきちんと認識した上で向き合おうとする』という方向性に変わってきたような気もします。
自分ひとりでは到底できないと思っていたことも、理解のある人たちと協力すれば実現できるという事も身を持って知ることが出来ました。これまで理想を形にするという事がなかなかできなかったけれど、それが現実に叶うんだと、これからの人生を生きていくうえでの勇気や自信が持てました。
Q:これから結婚する方々(特に、何らかの障がいを持った方々)に向けての、先輩夫婦として応援メッセージをください。
- 人と比べることなく、ありのままの自分で自信を持ってほしい。
- 諦めないでチャレンジする勇気を持てばどんな状況でも上手くできる。
- 私たちに寄り添い、しっかりサポートしてくれるプロがいれば実現できる!
- ピンチになった時は、自分を大きくより良く成長させてくれるチャンスにもなる。
- 結婚式を行う事で、必ず変われることがある。
- 結婚式を機に「自分を好きになって、自分の良い所を見つける」事だって出来る。
- 自分の好きなことやこだわりを生かすことで「自分達らしいオリジナルの結婚式」を創ることができる。
- 結婚式は「家」の為にするのではなく「自分たちのため」にすることと考えてほしい。(自分たちが楽しめなければ後悔するだけなので…)
- 結婚式をもっともっと楽しんでほしい!
ありがとうございました。
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